サカタのタネは、虹のようなグラデーションが鮮やかな人気のパンジー「虹色スミレ」シリーズに新色『虹色スミレ スイートラブ』=写真=を追加し、2018年6月から種子の販売を開始します。

虹色スミレ スイートラブ
『同 スイートラブ』は、花の中心部から外側に向かって、黄色、白色、ピンク色にグラデーションする花色が最大の特徴です。人目を引く華やかさがあるため、寄せ植えをはじめ花壇の主役となる存在感があります。淡いピンク色から赤色に近いピンク色まで色幅がありますが、同シリーズのほかのピンク系品種と比べて、花色は安定しています。花径は約5cmの中輪タイプで、秋から春まで咲き続けます。
個性的な花色を持つ「虹色スミレ」シリーズは園芸市場で人気があり、プレミアム商材としてほかの一般的なパンジーより高価格で取引されることが多いです。そのため生産者からの引き合いも強いですが、暑い時期の播種で徒長※1しやすく、高品質な苗を生産するためには高い栽培技術を要します。この点で『同 スイートラブ』は夏場の栽培で株がコンパクトにまとまる特性を持っているため、より多くの生産者にとって育てやすい品種と言えます。高品質な花と生産性を兼ねそろえた『同 スイートラブ』の発売により、「虹色スミレ」シリーズが今まで以上に広まり、パンジー市場全体が盛り上がっていくことを期待しています。
『虹色スミレ スイートラブ』の希望小売価格※2は、種子500粒袋(プライマックス処理)3,000円(税抜)です。全国の種苗店、JAルートを通じて販売します。
パンジー育種の歴史に残る画期性
パンジーの育種は19世紀に英国から始まったとされています。花色、花形、花の大きさなどの変化に富んだ品種が生まれましたが、本家の英国では、こうした品種のいくつかは種子ではなく、挿し木による栄養繁殖によって維持されてきました。これは、ある特定の花色は種子を通して次の世代に伝えることができなかったためです。「虹色スミレ」シリーズは、花の中心部分の色が薄く、外側に向かって色が濃く広がり、まるで光のスペクトルのような華やかな花を咲かせますが、この花色は栄養繁殖でしか維持できなかった花色の1つでした。
こうした育種上の課題を背景に、サカタのタネが10数年の歳月を掛けて、2004年に発表したのが「虹色スミレ」シリーズです。当社の育種技術を駆使し、この特徴的な花色の遺伝子を種子繁殖品種に封じ込め、次世代に維持できるようにして完成させました。発表時からパンジー育種の歴史に残る画期的な品種として高い評価を得ております。
なお、『虹色スミレ スイートラブ』は、安定した花色などが評価され、2015年の第60回全日本花卉品種審査会で1等特別賞を獲得、農林水産大臣賞を受賞しています。
パンジー「虹色スミレ」の特徴
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花径約5センチの中輪タイプ。
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光のスペクトルのようなグラデーションのある花色。
パンジー「虹色スミレ」作型図

パンジー「虹色スミレ」ラインアップ(全8品種、8色)
品種 |
花色 |
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虹色スミレ スイートラブ |
淡いピンク色から濃いローズ色の色幅のある縁どりで、中心部が白くなるフラッシュタイプの花色 |
虹色スミレ スイートハート(ver.2) |
ピンク色に中心部が白くなるフラッシュタイプの花色 |
虹色スミレ ラブリームーン |
黄色地にラベンダー色の縁どりが入る花色 |
虹色スミレ メープル |
黄色地に赤色の覆輪が入る花色 |
虹色スミレ エンゼルピンク |
ピンク色からローズ色の色幅がある縁どりに中心が黄色の花色 |
虹色スミレ ムーンライト |
黄色地に小さなブロッチと青色の覆輪が入る花色 |
虹色スミレ ロイヤルブルー |
中心部は白色か黄色で濃い青色の覆輪が入る花色 |
虹色スミレ ノーブル |
白地に濃い紫色の覆輪が入る花色 |
※全品種に色幅あり。覆輪にならない単色の通常花が発生することがあります。
※1 徒長:
茎などが、通常よりも長く伸びること。
※2 価格は希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。