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100年を彩った品種たち
ロジーナ ブルー

Episode 01 トルコギキョウ
世界でNo.1の切り花をめざして

世界中で愛され続けている切り花といえば、「バラ」です。
いつの日かトルコギキョウでバラを超えたい!
そんな日を夢みて、今日もサカタのタネの研究農場では
トルコギキョウの育種が積極的に行われています。

トルコギキョウは北米原産。現在の品種の元となっている原種はコロラドからテキサスにかけて自生しています。花の直径は2.5~5.0cmほどで、青色を基調とした可愛らしい花です。
トルコギキョウがサカタのタネの歴史に登場するのは1934年。通信販売カタログである「園の泉」に掲載されたのが始まりでした。当時すでに自社での採種が始まっており、タネが販売されていました。
一方、世界では、このころすでに育種(品種改良のこと)が行われていましたが、第二次世界大戦の混乱の中で多くの素材が失われ、育種の流れが途絶えてしまいます。

ところが、日本では戦時中も長野、静岡などで個人の農家が、細々と切り花生産や育種を続けており、のちに日本が世界一のトルコギキョウ育種大国になるために大きな意味を持ったのです。
サカタのタネも、1975年に初めての一重咲き固定種「紫盃(しはい)」を発売しましたが、切り花用としてはまだまだ課題が多いものでした。課題を解決するために、サカタのタネが挑戦したのがトルコギキョウのF1化。(F1とは、それぞれ優良な性質をもった母親と父親の系統を育成し、それをかけあわせた一代雑種のことをいいます)F1化によって、均一性や生産性などに大きなメリットが生まれました。

キング オブ スノー

レイナ ホワイト

ボヤージュ ライトアプリコット

1981年、世界に先駆けて発表されたF1品種で一重咲きの「峰」シリーズは、均一な花色と開花時期、草姿でそれまで鉢物需要が主だったトルコギキョウに切り花としての価値が見い出され、普及に大きな役割を果たしました。そして、現在主流になっている100%八重咲き品種の流れも当社が切り開いてきました。1988年に八重咲き率100%の「華」シリーズを発表。翌1989年には大輪で八重咲き100%の「キング」シリーズを発表し、同時に爆発的な人気を得て1990年の「国際花と緑の博覧会」(大阪花博)では、大輪純白八重咲きの「キング オブ スノー」が見事にグランプリを受賞したのです。

ロジーナ ブルー

アンバーダブル ミント

その後も、バラと見まごうばかりの「ロジーナ®」シリーズを発表。八重咲きの花形を限りなくバラの花形に近づけることに成功しました。このコンセプトはグッドデザイン賞でも高く評価され、2005年に同賞を受賞。近年では、大輪フリンジ咲きの「ボヤージュ®」シリーズ、大輪セミフリンジ咲きの「レイナ ホワイト」、個人育種家・佐瀬 昇氏とのコラボレーションで生まれたユニークな花色が特徴の「アンバー」シリーズ、「アンバーダブル」シリーズ、アレンジやショートブーケなどに利用しやすい極小輪一重咲き「プティフル®」シリーズなどを作出、発表。いまや、トルコギキョウは名実ともに切り花を代表する花へと"進化"し、当社の世界シェアは70%(当社調べ)に達しています。このような世界に誇れる実生系F1品種の育種力や新しい花の普及に貢献した成果が評価され、当社は2002年に民間部門農林水産研究開発功績者表彰事業で農林水産大臣賞を受賞しました。

「トルコギキョウがバラを超える」日。そんな日がいつかきっと来ると私たちは強く信じています。