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100年を彩った品種たち
ポッピンキャンディー

Episode 19 キンギョソウ
終わりなき育種の世界

キンギョソウは、ゴマノハグサ科キンギョソウ属の植物。原産地は、地中海沿岸地方の南ヨーロッパ、北アフリカ。日本には江戸時代後期に渡来したといわれています。その名前の通り、金魚が泳いでいるような姿の美しい花を多数咲かせ、花壇、コンテナ植え、切り花とさまざまな楽しみを与えてくれます。

当社は、1940年代終わりから1950年代にかけて、矮性(わいせい)のF1キンギョソウの育種を行うために海外からさまざまな品種を導入し、研究を進めました。その中の一品種を花色別に系統分離して固定、さらにそれを病害に強い系統とかけ合わせることによって誕生したのが「フローラルカーペット」シリーズです。そして、その中の「フローラルカーペット ローズ」が1965年のオール・アメリカ・セレクションズで銅賞を受賞し、当社のキンギョソウが世界に知られるようになりました。

フローラルカーペット

フローラルシャワー

アスリート

さて、キンギョソウは元来は日が長くなり温度が上がる春から初夏にかけて花を咲かせる植物です。「気温が低く、日が短い時期でも花を咲かせられないだろうか?」こんな目的で次の育種が始まりました。10年以上の月日をかけて完成したのが、短日でも開花する世界で初めての矮性品種「フローラルシャワー」シリーズです。

切り花の需要が多くなる年末にかけて出荷するために「フローラルシャワー」と同様の性質を持たせた切り花用品種が「アスリート」シリーズです。この品種は、茎が中空になりづらく、豊かな花穂と短日でも開花するその性質によって、広く栽培されるようになったのです。

その後もニーハイタイプ(膝丈のサイズ)でありながら、花壇・鉢物用品種で風による倒伏にきわめて強い「ソネット」「スピーディーソネット」シリーズ、またクリーピングタイプ(しだれるような草姿)でボリューム感あるれる「ポッピンキャンディー」へと、キンギョソウの育種は終わることなく続いています。

ポッピンキャンディー

ソネット

スピーディーソネット

サカタのタネ100年の歴史は育種の歴史。そして、101年目からの新しい育種の歴史を刻み始めます。私たちの作り上げた品種はサカタのタネの情熱そのもの。これからも、私たちが提案する野菜や花は皆さまの食生活やあらゆる生活のシーンで、皆さまにご愛顧いただける事を楽しみにしています。

「タネの世界には終わりは無いのです。だから私の仕事にも終わりは無いのです」 創業者:坂田武雄