1. トップページ>
  2. Episode 16 キュウリ
100年を彩った品種たち
フリーダム

Episode 16 キュウリ
パリパリさわやか、夏の主役!

キュウリは、インドが原産といわれ、そこから東と西に広がった作物です。世界中で地域ごとにさまざまなタイプに分化しましたが、現在日本で栽培されるキュウリの多くは「白イボ種」と呼ばれるタイプです。

キュウリ表面の「イボ」から伸びている「トゲ」が白いものを白イボ種と呼ぶのですが、この普及にも当社のF1品種が関わっています。

1964年発表の「さつきみどり」は、きれいな外観や食味のよさが認められて大ヒット。キュウリといえば「白イボ」の時代を作った品種です。メロン「プリンス」や、キャベツ「金盃(きんぱい)」と並んで、当時の当社野菜種子の三本柱となりました。「さつきみどり」は皮が柔らかいため日持ちが悪く、曲りも出やすいため市場からは姿を消しましたが、そのおいしさから家庭菜園ではいまでも作られているロングセラーです。ちなみに、名前のはっきりした由来は不明ですが、五月に収穫最盛期となるため名付けられたという説が有力です。

その他、漬け物に向く、細長く皺とイボが多い外観の四葉(すうよう)系品種「黒さんご」「夏さんご」「味さんご」の"さんご三兄弟"も、根強い人気があります。

さつきみどり

黒さんご

黒さんご

夏さんご

夏さんご

味さんご

味さんご

海外に目を転じると、中近東ではイボなしでツルッとした表面をもち、長さが短めの“Beit Alpha(ベイト アルファ)”タイプが栽培の中心です。当社は1980年代初頭にこのF1の「スイートクランチ」を開発、収量や耐病性が格段に向上したこの品種はエジプトを中心とした中近東で一世を風靡(ふうび)しました。

スイートクランチ

フリーダム

フリーダム販促物

さて、国内では、見た目や、そろいのよさや、耐病性などのある品種が市場流通の中心となる中、「みずみずしくて本当においしいキュウリが食べたい」という消費者の声が高まってきました。そうした声に応えたのが“あじわいキュウリ”「フリーダム」です。パリッとした食感と香り、歯切れのよさなどおいしさはとびっきり! 当初はイボのない外観に違和感を感じていた方も、その味を知ってファンになったのです。

当社は、丈夫さや収量性はもとより、キュウリそのものの「おいしさ」にずっとこだわってきました。青果店で「フリーダム」を見たら、必ず試してみてください。あらためてキュウリ本来の実力に驚きますよ!