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100年を彩った品種たち
きもの

Episode 17 ケイトウ
日本の伝統的な花・ケイトウを世界に広める

アジアやアフリカの熱帯地方が原産とされるケイトウ。トサカ(鶏冠)ケイトウ、羽毛ケイトウ、槍ケイトウなどさまざまなタイプがあります。

いずれも暑さに強く、盛夏の花壇材料や切り花として欠かせないものです。丈夫で鮮やかなケイトウたち。その姿の裏側にも当社の物語があります。

トサカケイトウの代表品種 サカタプライド

羽毛ケイトウの代表品種 きもの

槍ケイトウの代表品種 八千代特選混合

奈良時代に中国経由で日本にもたらされたケイトウは、園芸種として定着し、さまざまなタイプが生まれました。当社はこの日本の代表的園芸植物を世界に広めるために1930年代から育種に取り組みました。
そして1935年には「フレーム オブ ファイヤー」がオール アメリカ セレクションズ(以下:AAS)で銅賞を受賞。これは前年のF1オール・ダブル・ペチュニアに続く受賞で、アメリカでケイトウが人気の花となるきっかけをつくったのです。
第二次大戦を挟み、戦後も当社育成の多くのケイトウ品種(ファイヤー グロー、ゴールデン トライアンフ、レッド フォックス、アプリコット ブランデー、プレステージスカーレットなど)がAASで入賞。サカタのタネのケイトウは広く世界で利用されるようになったのです。

ファイヤーグロー

ゴールデントライアンフ

アプリコットブランデー

プレステージ スカーレット

さらに1980年代に入ると、ポット栽培用の品種として「きもの」シリーズや「ゆかた」シリーズが誕生。通常のケイトウは夏至を過ぎないと花をつけない性質(短日開花性)がありますが、「きもの」や「ゆかた」は日長に関係なく花を咲かせるため、コンパクトで花が咲いた状態の鉢物を春から夏にかけても出荷できるようになり、ケイトウの市場を広めることに成功します。

ゆかた

きもの 多粒まき

さらに、これらのシリーズは、ポットに各色ミックスの種子を多めにまく「多粒まき」という栽培方法が確立されると、そのかわいらしい姿から大きな人気を博したのです。

さまざまな色のかわいらしい花を咲かせたケーキのようなケイトウの鉢花。そう、それは「きもの」や「ゆかた」があればこそ完成したケイトウの新しい楽しみ方なのです。