サカタのタネの研究農場・施設で育成された新しい品種はそのまますぐに商品化されるわけではありません。商品化される前に、新しい品種を世界各地で試験栽培(試作)し、育成された品種が各地の土壌や気候などの環境条件で順調に生育し、品種特性を発揮できるかを見極めています。

産地試作とは

現地で産地試作の結果を検討している様子。写真はハクサイの圃場

現地で産地試作の結果を検討している様子。写真はトマトの圃場

サカタのタネが自社農場で試作している、と思われがちですが、実はそれだけではありません。産地試作は、その言葉のとおり、花や野菜を生産するその場所で試験栽培すること。そのため、サカタのタネと契約いただいている世界各地の花や野菜の品目ごとの生産者に、実際に栽培する圃場(畑)やハウスで実施していただいています。

サカタのタネの「産地試作」の強み

サカタのタネの強みの一つは、世界各地で産地試作に協力していただける生産者の方々との長い協業・信頼関係を構築できていることです。世界各地で人と人のつながりを大切にし、何十年という信頼関係を築き上げた生産者の方々と試験栽培し、その生産者の方々の声を活かす「産地試作」という作業工程をサカタのタネは大切にしています。この信頼関係も、サカタのタネの資産の一つなのです。

「試作」で見極めること

品種特性が発揮できるか産地試作の結果を検討。写真はヒマワリの圃場

産地試作の結果は現地スタッフと共に検討。写真はキャベツの圃場

サカタのタネの研究農場・施設で育成された商品化有望品種は、実際にその花や野菜を生産する圃場(畑)やハウスで育て、土壌や気候などの現地栽培条件下でどのような生育を示すのかを見極めます。順調に発芽し、順調に生育するか、その品種ならではの特性が発揮できているのか、生育状態を確認していきます。

産地試作の結果は「栽培が容易で安定している」「病気に強い」「花なら美しい、野菜ならおいしい」「収穫量が多い」などといった育種目標が達成できているか、販売する地域の食文化やし好に合うかなど、商品化するために必要なさまざまな基準をもとに検証されます。

サカタのタネの基準は厳しく、産地試作の結果、商品化されない品種もあります。産地試作で得られたさまざまな成果や情報はサカタのタネと現地の種苗会社で共有し、よりよい品種の開発に大きな役割を果たしています。