サカタのタネは、アントシアンフリーで低温伸長性に優れ、厳寒期でも高品質なブロッコリーの安定出荷を可能とする画期的なブロッコリーの新品種『こんにちは』(=写真左=)と『こんばんは』(=写真右=)の種子を2019年6月下旬から発売します。

ブロッコリー『こんにちは』、『こんばんは』の画像

『こんにちは』、『こんばんは』は、日本国内で高いシェアを誇る「おはよう」に次ぐ待望のアントシアンフリー品種です。厳寒期収穫の作型で品質低下につながるアントシアン※1が発生せず、濃緑色で高品質な花蕾が収穫できます。両品種とも花蕾はドーム形状で安定し、小粒であるため市場での高評価が期待できます。また、草勢が強く、草姿は立性で花蕾を保護するため、寒さによる白け症状※2が出にくく、安定した品質で出荷ができます。

『こんにちは』は、播種後105~110日で収穫できる中生品種です。頂花蕾の重量は約400グラム、直径は約15cm程度です。「おはよう」と同時期に定植することで収穫期を分散することができます。


『こんばんは』は、播種後150日前後で収穫できる晩生品種です。頂花蕾の重量は約500グラム、直径は約15cm程度です。厳寒期の栽培下でも肥大力があります。

『こんにちは』の希望小売価格※3は、フィルムコート種子1袋2,000粒入り6,550円(税抜)、ペレットシード種子1袋5,000粒入り17,800円(税抜)です。『こんばんは』の希望小売価格は、フィルムコート種子1袋2,000粒入り5,950円(税抜)、ペレットシード種子1缶5,000粒入り16,400円(税抜)です。
全国の種苗店、JAルートを通じて販売します。3年後の販売目標は、両品種合わせて1億2,500万円です。

ブロッコリー『こんにちは』の特徴

  • 花蕾にアントシアンが発生しない、低温伸長性に優れる

  • 播種後105~110日で収穫できる中生品種で、温暖地(一般地)の8月上~下旬播種で、11月中旬~1月どりの作型に適する

  • 草姿は立性で、草勢はやや強く、花蕾位置はやや低い

  • 花蕾は小粒、濃緑色で極ドーム形、花蕾形状の安定性が高い

  • 販売に先駆けて行った試験栽培では、「花蕾の色が濃くて品質がよい」、「「おはよう」と併用することで収穫時期が分散できた」など高評価を獲得

  • 第66回 全日本野菜品種審査会一等特別賞受賞

ブロッコリー『こんばんは』の特徴

  • 花蕾にアントシアンが発生しない、低温伸長性に優れる

  • 播種後150日前後で収穫できる晩生品種で温暖地(一般地)では8月中旬、暖地では8月中~下旬ごろの播種で1~2月どりの作型に適する

  • 草姿は立性で、草勢はやや強く、花蕾位置はやや低い

  • 花蕾は小粒、濃緑色で極ドーム形、花蕾形状の安定性が高い

  • 販売に先駆けて行った試験栽培では、「厳寒期でもよく肥大し、育てやすい」、「花蕾が小粒で濃緑でよい」など高評価を獲得

アントシアンフリー品種の重要性と、厳寒期の安定出荷を可能とするリレー出荷について

特に厳寒期において発生しやすいアントシアンは、市場での青果の品質が下がる原因となります。
また、店頭での見栄えが劣るため消費者の購入意欲の低下にもつながります。『こんにちは』、『こんばんは』は、花蕾にアントシアンが発生せず、さらにアントシアンフリー品種でよくみられる「白け症状」が出にくいため、濃緑色の高品質な花蕾が収穫でき、店頭でも見栄えがよい品種です。

冬期の出荷量安定の観点からも両品種は貢献します。近年、異常な高温をもたらす暖冬や、逆に従来よりも気温が大幅に低下する厳冬の年になるなど不安定な天候が続いています。暖冬の年の場合、生育が前進化し、出荷の前倒しや集中が問題となります。厳冬の場合、生育が遅れ、本来予定していたよりも収穫量が減ってしまうことが問題となります。この問題を解決する一つの提案として、現在、その高い品質と安定性から全国的に栽培されている「おはよう」と『こんにちは』、『こんばんは』を組み合わせるリレー出荷です。『こんにちは』は、「おはよう」と比較すると熟期が10~14日ほど晩生のため同時に定植することで「おはよう」との時期を分散した収穫が可能となります。また、厳寒期にあたる
1~2月収穫向けに低温伸長性と肥大力のある『こんばんは』を栽培することで、高品質な青果を安定してリレー出荷することが可能となり、11月~2月まで計画的に出荷できます。

ブロッコリー『こんにちは』、『こんばんは』種子の規格、価格、発売時期

商品名

規格

希望小売価格(税抜)

発売時期

こんにちは

2,000粒入り袋(フィルムコート)

6,550円

2019年6月下旬

こんにちは

5,000粒入り袋
(ペレットシード)

17,800円

2019年6月下旬

こんばんは

2,000粒入り袋(フィルムコート)

5,950円

2019年6月下旬

こんばんは

5,000粒入り缶(ペレットシード)

16,400円

2019年6月下旬

※『こんばんは』5,000粒入り(ペレットシード)は、規格が「缶」となります

ブロッコリー『こんにちは』作型図

ブロッコリー『こんにちは』作型図

ブロッコリー『こんばんは』作型図

ブロッコリー『こんばんは』作型図

※1 アントシアン:
植物に含まれている色素の1つで、紫色の原因となる。ブロッコリーの花蕾で発生した場合、緑色の発色がくすんだようになり、品質の低下につながる。

※2 白け症状:
厳寒期の低温下で花蕾の色が淡くなる症状のこと。品質低下とみなされ、青果の市場価値が下がる。

※3 価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。