サカタのタネは、開花に低温がいらず、コンパクトにまとまるメジューム系※1のカンパニュラ『アピール』シリーズの新色『アピール ホワイト』=写真=を開発し、種子を発売します。

『アピール』シリーズは、草丈20~40cmで、従来のカンパニュラのイメージを覆すコンパクトな草姿が最大の特徴です。花はベル型で、花径は4cm程度、今回追加する『アピール ホワイト』は、鉢物や寄せ植えなどには欠かせない定番色の白色です。純白に近い鮮やかな白さで、3月の卒業式やひな祭り、ホワイトデーなどの贈答用として需要が期待できる花色です。
 
同シリーズは、2015年に発売を開始し、これまでのカンパニュラでは難しかった、冬から春にかけての鉢物やポット苗での出荷を実現した画期的な品種です。花が上を向いて咲くアップフェースの特性を持つほか、ボリューム感、開花性にも優れています。また、コンパクトにまとまるため強風でも倒れにくいなど、鉢物やポット苗品目としての適性が非常に高いため、新たな花材として普及が進んでいます。
 
今回のラインアップの拡充により、『アピール』シリーズは一層、利用しやすくなりますが、当社はこうした画期性の高い品種の投入で、鉢物やポット苗市場全体が一層、活性化していくことを期待しています。
 
カンパニュラ『アピール ホワイト』および同シリーズの種子の希望小売価格※2は、1袋1,000粒入り8,600円(税抜)です。2020年5月から本格発売を開始いたします。全国の種苗店、JAルートを通じて販売します。

カンパニュラをリードしてきた当社品種と『アピール』の新規性

現在、カンパニュラの園芸品種で多く用いられているのは、メジューム系のカンパニュラです。メジューム系は、春に播種した株が、冬の低温と長日条件にあうことで花芽分化し、翌年の春に開花するという典型的な二年草の特性をもっています。そこで、当社では生育が早く秋まきでも翌春に開花し、株のそろいがよい一年草タイプの初のF1品種として「メイ」シリーズを開発しました。その後、花芽分化に低温を必要とせず、短日期にも電照処理によって開花する四季咲きタイプの「チャンピオン」シリーズを開発しました。同シリーズは、周年出荷や栽培期間の大幅な短縮を実現し、他品目の花き栽培の前後に栽培できることで施設の有効活用につながるなど、カンパニュラに革新をもたらした品種として国内外から高く評価されました。

現在、これらの品種は、切り花用以外にも鉢物やポット苗としても生産されていますが、わい化剤を使用するなど手間がかかるため、作業時間や栽培コストの増加につながるという課題があります。

『アピール』シリーズは、これらの課題を解決すべく、作業期間の短縮とコスト削減、出荷時期の幅の拡大などを実現しました。花芽分化に低温を必要としないことや電照処理による開花調整ができること、分枝性が優れているため摘芯により草姿を工夫できることなど、いずれも新しい特徴をそろえています。

冬から春にかけての鉢物やポット苗として、今までにない利用方法などにも対応できる可能性を秘めています。

カンパニュラ『アピール』シリーズのラインアップ

品種

花色

アピール ホワイト

純白色

アピール ピンク

ピンク色

アピール ライトピンク

淡い桃色

アピール ディープブルー

深い青紫色

カンパニュラ『アピール』シリーズの作型図

※1 メジューム系:
和名ではフウリンソウとも呼ばれる。ヨーロッパ南部原産で典型的な二年草。花冠は釣り鐘型をした総状花序。成長した株が低温にあうことではじめて花芽分化し、翌年の春に開花する。他のカンパニュラに比べて花色が豊富なのも特徴。

※2 価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。