サカタのタネは極早生のF1(一代交配種)プリムラ『アプリ』シリーズの新品種として、日本人好みの淡いピンク色の新品種『アプリ サクラ』を開発し、生産者向けに種子を本格販売します。
プリムラは12月から2月の花が少ない時期に、赤や紫、黄色、ピンクなど色とりどりの花が楽しめることで秋冬花壇苗の定番として非常に人気があります。しかし、生産・流通している品種の多くが固定種※1であり、発芽と生育のそろいの点などで課題がありました。F1品種である『アプリ』シリーズは、これらの課題を解決した高い発芽性、生育のそろい、草姿のまとまりのよさなどが最大の特徴です。高品質な苗の安定出荷を可能にしたため、現在国内の極早生F1プリムラ品種ではトップシェア※2を築き、生産者からは「生育のそろいがよく、出荷ロスが減った」など高い評価をいただいています。
プリムラでピンク系は人気色の一つであり、『アプリ』シリーズにはすでに『アプリ アプリコットシェード』、『同 ライトピンクローズアイ』、『同 ピンクバイカラー』といったピンク系品種をラインアップし、好評を博しています。今回、シリーズにとりわけ日本で人気のある淡いピンク色の『アプリ サクラ』を加えることで、極早生F1プリムラのメインである『アプリ』シリーズとして出荷できるピンク系統が増え、より多くのニーズに応えることができるようになりました。
プリムラ『アプリ サクラ』の種子は種苗店、JAなどを通じて2020年5月上旬から本格販売します。希望小売価格※3は1,000粒入り袋3,800円(税抜)です。
プリムラ『アプリ』シリーズの概要
(1) 極早生、アコーリスタイプ※4のF1品種。当社創業100周年記念品種として2013年に販売開始。
(2) 高発芽で生育のそろいがよく、株元からの分枝の発生が極めて少なく、高品質苗を安定して供給できる。各色を合わせたシリーズでの一斉出荷も可能。
(3) 株の中心に花が咲く「センターフラワリング」の性質に優れ、花径約5cmの花がドーム状につく。
(4) 花弁や葉が厚くしっかりしている。
プリムラ『アプリ』シリーズのラインアップ(15色15品種)
品種名 |
花 色 |
---|---|
アプリ サクラ |
淡いピンクの花色。中心部に濃いピンクの輪 |
アプリ ピンク |
発色のよいピンクの花色。色幅あり |
アプリ アプリコットシェード |
淡いオレンジ色がかったピンク色(アンズ色)。色幅あり |
アプリ プリムローズ |
パステル調で優しい色合いのイエロー |
アプリ ブルー (ver.2) |
青紫色 |
アプリ ホワイト (ver.2) |
乳白色 |
アプリ ピンクバイカラー |
中心が白く抜けたローズピンク色。色幅あり |
アプリ スカーレット |
鮮赤色 |
アプリ バーガンディー |
紫赤色 |
アプリ ローズシェード |
桃赤色。色幅ありード |
アプリ ゴールデンシェード |
黄金色から黄色の色幅がある |
アプリ イエロー |
黄色 |
アプリ バーガンディーバイカラー |
紫赤色の花弁に中心部が白く抜ける。色幅あり |
アプリ ローズバイカラー |
桃赤色の花弁に中心部が白く抜ける。色幅あり |
アプリ ライトピンクローズアイ |
淡桃色から桃色のグラデーションカラー。色幅あり |
プリムラ『アプリ』シリーズの作型図
※1 固定種:
親の代から子の代へと世代が移行しても遺伝的に固定している品種のこと。
※2 自社推計。
※3 価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。
※4 アコーリスタイプ:
花茎が伸びず葉の間から花硬(かこう)をたくさん出してその先に花をつけるタイプ。市場などでは「ジュリアンタイプ」と同一に扱われることもある。
※5 山上げ:
暖地、温暖地では夏場気温が上がり耐えられないことから、高冷地に移して冷涼な気候のもと育苗を行うこと。なお、高冷地から暖地、温暖地に戻すことを山下げという。