サカタのタネは、そろい、スタイルのよさに優れるメジューム系※1のカンパニュラ『チャンピオンiQ』シリーズ=写真=を開発し、営利生産者向けに種子を発売します。同シリーズは切り花用カンパニュラのトップシェア※2品種である当社のカンパニュラ「チャンピオン」シリーズを改良した品種です。

『チャンピオンiQ』シリーズの改良点の1つは「そろい」です。プラグ苗を生産する段階でのそろい、生育途中のそろい、開花のそろいを向上させました。生育や開花のばらつきが少なく、プラグ苗や切り花生産時のロスを軽減し効率的な生産が可能なため、生産者の収益向上につながります。日本や世界全体でカンパニュラの生産意欲向上に貢献できることを期待しています。

『チャンピオンiQ』シリーズのもう1つの改良点は「切り花スタイルのよさ」です。従来品種と比べて軸をしっかりとさせ、花をより上向きに、花と花の節間が詰まるように改良しました。このような切り花スタイルの改良は生産者にとっては秀品生産など、生花店や消費者にとってはアレンジメントがしやすいなどのメリットとなります。

同シリーズは従来の「チャンピオン」シリーズ同様、花芽分化に低温を必要としない四季咲き性の品種です。春出荷のほか初夏出荷や年内出荷※3が可能で、通常品種より広い作型にも対応できます。

『チャンピオンiQ』シリーズのラインアップは『ディープブルー』『ピンク』『ローズ』『ライラック』の計4色4品種です。それぞれの希望小売価格※4はペレット種子※51,000粒入りで6,000円(税抜)です。全国のJA、種苗店を通じて2020年6月から発売します。

カンパニュラのリーディングカンパニー、サカタのタネ

カンパニュラは従来初夏までにタネをまき、冬の寒さにあたり日長が長くなる春に開花する二年草の植物です。原産は地中海沿岸地域で比較的冷涼な地域の植物であるため、高温多湿な日本の夏では育てにくい花とされてきました。

当社は「メイ」シリーズを開発することにより、秋まきで翌春開花する品種の開発に成功しました。その後、花芽分化に低温を必要としない性質を持つ「チャンピオン」シリーズを開発しました。四季咲き性のカンパニュラの誕生は日本のみならず、低緯度地域である中米での栽培が広がるなど、世界のカンパニュラ切り花生産にも大きな影響を与えました。『チャンピオンiQ』シリーズは「チャンピオン」シリーズのよさを継承しつつ、さらに改良を進めた期待の新品種です。

スタイルよく扱いやすいカンパニュラ『チャンピオンiQ』シリーズ

『チャンピオンiQ』シリーズは従来品種と比べて生育のそろいのほか、花が上向き、花穂が適度に詰まるなど、スタイルの点でも大きく改良した品種です。上向きに咲くとすっきりとした印象になり、アレンジメントをする際にも花が鑑賞者の方を向く、束ねやすいなど扱いやすい品種です。

 生産者にとって栽培しやすく消費者にとってもスタイルや色など魅力的な品種を開発することで、カンパニュラのさらなる需要拡大に寄与し続けます。

カンパニュラ『チャンピオンiQ』シリーズ ラインアップ

『チャンピオンiQ ディープブルー』

濃い紫色

『チャンピオンiQ ライラック』

淡い紫色

『チャンピオンiQ ローズ』

濃いピンク色

『チャンピオンiQ ピンク』

淡いピンク色

カンパニュラ『チャンピオンiQ』シリーズ 作型図

※1 メジューム系:
和名ではフウリンソウとも呼ばれる。ヨーロッパ南部原産で典型的な二年草。花冠は釣り鐘型をした総状花序。成長した株が低温にあうことではじめて花芽分化し、翌年の春に開花する。他のカンパニュラに比べて花色が豊富なのも特徴。

※2 自社推計

※3 低温低日照時期の促成栽培では電照と加温が必要です。

※4 価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。

※5 ペレット種子(pelleted seed):
コーティング種子ともいう。細かな種子や形が不ぞろいな種子を、粘土など自然に溶ける被覆資材で包んだもの。粒子を大きく均一にしてあるので、播種機でまきやすくなる。