サカタのタネは、2019年に開発を発表した、世界初の無花粉(PF)タイプ 中晩生中輪八重咲きホワイト種のトルコギキョウを『PF ダブル スノー』=写真=と命名し、その種子の本格販売を2020年11月から開始します。

花は一般的に、雌しべの先に花粉が付着すると老化が進み、観賞期間が減少します。無花粉タイプのトルコギキョウは、雄しべが不完全※1なため、花粉が発生せず花持ちが非常に優れ※2、また飛散した花粉により花そのものや周囲を汚すこともありません。花持ちがよいため、生産者の作業負担や出荷ロスを軽減できる、流通業者も販売ロスを軽減できる、消費者も花を長く楽しめるなど、それぞれにメリットがあります。

トルコギキョウは主に切り花で流通し、八重咲きと一重咲きの2種類があります。特に八重咲きのホワイトは、ウェディングなどの業務用から個人利用まで広く使われる、最も人気のある色です。本品種は、業務用・個人用どちらでも使いやすい中輪サイズで、華やかなバラのような花形です。生育の早晩性から、需要の高いお盆から秋のブライダルシーズンまでカバーできる品種として、高い期待を集めています。

『PF ダブル スノー』の希望小売価格※3は、ペレット種子1袋1,000粒入り5,000円(税抜)で、全国の種苗店・JAルートを通じて販売します。

無花粉タイプトルコギキョウの展望

 トルコギキョウは、もともと夏の花であるため、ほかの切り花品種と比べると暑さに強く、夏場でも花持ちがよいという特徴があります。

『PF ダブル スノー』に先駆け、2018年に販売を開始した無花粉タイプ一重咲きの「ソロ®」シリーズは、無花粉であることのメリットに加え、一重咲きの需要が高いお盆・彼岸の暑い時期でも花持ちがよいことから、各方面で高い評価を得ています。

一方、当社が無花粉・一重咲き品種を開発した当時から、トルコギキョウの利用では大半を占める八重咲き品種についても、無花粉タイプの開発に高い期待が寄せられていました。今回、最もニーズのある八重咲き・ホワイトで無花粉タイプの販売を開始することにより、各方面へメリットを提供するだけでなく、トルコギキョウの市場拡大にも貢献できると考えています。

当社はトルコギキョウのリーディングカンパニーとして、今後も皆さまに喜んでいただける品種を開発して参ります。

「ソロ」シリーズ

無花粉タイプトルコギキョウ ロゴマーク

 下記の3つの単語の頭文字「P」と「F」を合わせ、ロゴマークを作成しました。今後当社から発売される無花粉タイプのトルコギキョウに適用されます。

(1) Pollen Free(無花粉)
(2) Prolonged Flowering(花持ちのよさ)
(3) Patented Flower Breeding Technology(特許登録のある育種技術)
(国内特許番号:特許第5841263号)

PFロゴの画像

『PF ダブル スノー』の作型図

ダブルスノーの作型図

※1 雄しべが不完全:栽培環境により不完全な雄しべが形成される場合がありますが、不完全な雄しべに生成される花粉は極少量で花持ちへの影響はほぼありません。

※2 2017年に、八重咲き無花粉タイプホワイト品種と花粉のある八重品種との花持ち試験を行ったところ、無花粉タイプの方が1週間程度、観賞期間が長かったという結果が得られました。

※3 価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。