サカタのタネは加工・業務用の大きなサイズでも安定生産でき、肉質が緻密で加工した際の歩留まりがよいダイコン『夏相撲』(=写真左=)『秋相撲』(=同右=)の種子を営利生産者向けに発売し、2品種合わせて『相撲』シリーズとして展開します。
『夏相撲』はダイコン栽培に過酷な時期である夏まき品種、『秋相撲』は秋まき品種です。両品種に共通する特長は1)長期栽培における圃場歩留まりのよさ、2)加工した際の歩留まりのよさ—による加工・業務用需要への適応性の高さです。加工・業務用ダイコンの場合、多くは大きなサイズ(約1.4kg 2L以上)で収穫しますが、通常より栽培期間が長いため、品種によっては根形が乱れ、病害やす入りの発生、収穫・運搬・洗浄の際の衝撃に伴う割れが起きやすく生産現場の課題となっています。需要の高い初冬に安定出荷できる『秋相撲』の重要性はもちろん、特にダイコンにとって過酷な高温期栽培における黒芯症などの生理障害、萎黄病など病害発生のリスクを軽減できる『夏相撲』も生産者にとって大きなメリットがあります。また、肉質が緻密なため、ツマやサラダなどに加工した際青果の重さに対する歩留まりがよく、加工業者にとってもメリットのある品種です。首部(ダイコンの上部)の色は淡く、青首内部が青肉になりづらい特長を持ち、内部は純白で加工した際の色味にも優れます。試験販売した産地からも加工・業務用としての適応性が高く評価されています。
また、『相撲』シリーズは加工・業務用のほか、スーパーなどに出荷する青果用としても収穫できます。そのため、加工・業務用需要に急激な変化が生じた際も生産者は柔軟な対応が可能です。
広がる加工・業務需要に適したサカタの『相撲』シリーズ
ダイコンは数ある野菜品目の中でも加工・業務用需要が高い野菜の一つです。従来加工・業務用の用途としては漬物の需要が多くありましたが、近年は共働き世代の増加、核家族化などライフスタイルの変化でカット野菜やサラダ、外食・中食向けのダイコンに注目が集まっています。
加工・業務用需要で求められることは、生産者の立場では生理障害や病害などに強く安定して生産でき規格外品などのロスが少ないこと、加工業者の立場では肉質の緻密さなどの高い加工歩留まりと言われています。加工・業務用では生産者、加工業者がともにメリットを感じることで評価されます。『相撲』シリーズは安定した生産性と加工歩留まりに優れた品種で、サカタの加工・業務用ダイコンシリーズとして拡販に努めます。
青果用にも使える『相撲』シリーズ
『夏相撲』『秋相撲』は加工・業務用の大きなサイズ(約1.4kg 2L以上)で収穫できることはもちろん、スーパーなどに出荷する青果用のL~2Lサイズ(約1.4kg以下)でも収穫できる品種です。需要の見通しが難しい昨今の状況において、選択肢が多いことは生産者の経営安定にもつながります。
ダイコン『夏相撲』(上)『秋相撲』(下)作型図※2
ダイコン『夏相撲』作型図
ダイコン『秋相撲』作型図
※1 価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。
※2 加工用などで青果サイズ(2L)より大きくする場合は、作型図よりも収穫期が遅くなります。