サカタのタネは形状安定性、収穫作業性に優れる2~3月収穫用のブロッコリー『レイトドーム』の種子を営利生産者向けに発売します。
『レイトドーム』は播種後180日で収穫できる晩生品種です。早春収穫のブロッコリーは冬の寒い時期に生育し、温かくなる春先に収穫するため、気温の変化で花蕾の形状が乱れる、花蕾の粒のそろいが悪くなるなど、高品質なブロッコリーの出荷が難しい作型です。『レイトドーム』は温度上昇期でも花蕾がドーム状にまとまり、粒ぞろいがよく、品質の安定性に優れ、市場での高評価が期待できます。葉が花蕾を包んで生育するため寒さによるアントシアンの発生も少なく、青果の色味にも優れます。
高まるブロッコリー需要と早春に高品質な青果を生産できる『レイトドーム』
2019年のブロッコリーの国内作付面積は約1万6千ヘクタール。栄養価の高さなどから統計開始以来増加傾向にある品目で、近年の健康ブームも併せて今後も需要の拡大が見込める野菜です。
年間を通して生産されている品目ですが、気温の変化などによる形状の乱れが起こりやすい2~3月は高品質な青果を生産することが難しい時期の一つです。『レイトドーム』は品質、作業性に優れ、試作した生産者からも、2~3月に収穫できる品種が登場したことに加え、「ドームの盛りがよく、花蕾の形状に優れ、色もよい」「作業性がよい」といった評価をいただいています。難しい時期に高品質な青果を生産できる『レイトドーム』で、ブロッコリーの安定生産・流通に寄与することを期待しています。
ブロッコリー生産と生育速度の違いの重要さ
近年、冬から早春のブロッコリー生産現場では暖冬や厳冬によって収穫時期が予測しにくい問題があります。暖冬の場合は生育が早く進み、厳冬の場合は生育が遅れ、当初計画していた時期の出荷が難しくなるため、特に業務用などで契約している生産者にとっては相当なダメージとなります。このような状況に対し、生産者は生育速度の異なる品種を同時に栽培することで、収穫時期の分散を狙います。今回販売する『レイトドーム』は当社品種では最も遅い播種後180日収穫タイプであり、150日タイプの「ウインタードーム」「こんばんは」、115~120日タイプの「グランドーム」などと一緒に栽培することで、不安定な天候下での安定出荷実現が期待できます。
サカタのタネのブロッコリーと『レイトドーム』
当社はブロッコリー種子において世界シェア約65%、国内シェア約75%(当社推計)を誇るブロッコリーのリーディングカンパニーです。国内では10品種のラインアップがありますが、当社では温暖地・暖地における2~3月収穫用品種は今までありませんでした。今回、ブロッコリーのリーディングカンパニーにふさわしい高品質な早春収穫のブロッコリー『レイトドーム』を開発し、当社のブロッコリー品種のラインアップが大きく充実しました。『レイトドーム』によって2~3月収穫用ブロッコリー種子市場でも優位に立ち、国内における当社のさらなるブロッコリーシェア拡大を目指します。
ブロッコリー『レイトドーム』作型図
※価格は全て希望小売価格(税込)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。