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当社キャベツ品種の中でもトップクラスの黒腐病耐病性※1
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玉ぞろいと耐倒伏性に優れ、歩留まりのよい品種
サカタのタネは、キャベツの新品種『ふうりん』の種子を2023年1月下旬より営利生産者向けに発売します。
『ふうりん』の最大の特長は、黒腐病耐病性です。黒腐病は温暖地・暖地の10月から11月に収穫時期を迎える作型で最も発生しやすい病害です。特にキャベツの生育後半に発生しやすく、玉を形成する時期のスムーズな生育に影響を与えます。圃場全体で激しく発生すると出荷遅延のみならず、出荷自体ができなくなる場合もあることから、特に温度が高い時期のキャベツ生産においては同病害への対応が重要な課題となっています。『ふうりん』は当社のキャベツの中でもトップクラスの黒腐病耐病性品種です。そのほかバーティシリウム萎凋病への耐病性、萎黄病への抵抗性があります。
玉はバランスのよい偏円形(扁平(へんぺい)に近い横長気味の形状)で、目を引く鮮やかな濃緑色です。食感はみずみずしく程よい肉質で、サラダはもちろんどんな料理でも美味しくいただけます。玉ぞろいと耐倒伏性に優れることから収穫もしやすく、高品質な青果の安定生産に期待ができます。
試作産地からは同品種の高い黒腐病耐病性、耐倒伏性のほか、そろいがよく鮮やかな濃緑の青果で見た目にも優れることが高く評価されています。なお同品種は第68回全日本野菜品種審査会(群馬県)で一等特別賞、農林水産大臣賞を受賞しています。
キャベツ『ふうりん』の種子の希望小売価格※2は1袋2,000粒入り5,390円(税込)、ペレット種子1缶5,000粒入り15,620円(税込)です。全国のJA、種苗店を通じて2023年1月下旬から発売します。
黒腐病への対応
黒腐病は主にキャベツの生育後半で発生しやすい病害ですが、温暖地・暖地で10月から11月に収穫時期を迎える作型では播種から収穫までの生育期間を通して温度が高いため、生育初期から発生する場合もあります。また近年ではゲリラ豪雨やひょうの影響で外葉に傷がつき、傷口から黒腐病に罹患する場合もあります。現在は温暖地・暖地を中心に発生する病害ですが、地球温暖化の進行で高冷地でも発生する可能性もあり、各社で黒腐病耐病性品種の育種が進められています。
撮影:2020年11月20日
場所:神奈川県
(当社調べ)
歩留まりよく、安定生産に貢献
生育過程においてキャベツの玉が傾く「転び」が起きやすい品種は、接地面から葉が傷みやすく病気の原因となるため、キャベツにとって転びの起こりにくさを意味する耐倒伏性は重要な特徴です。『ふうりん』はこの耐倒伏性に優れており歩留まりがよいため、試作された産地からも評価をいただいています。
また青果用キャベツは手作業による収穫が主流です。転びの少ないキャベツは、収穫の際、包丁も入れやすく、作業をスムーズに進めることができます。
キャベツ『ふうりん』の作型図
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抵抗性と耐病性:
当社は病害を抑える性質をその程度により「抵抗性」と「耐病性」という言葉で表しています。発病条件(温度、湿度、病原体の密度など)の影響を受けにくく安定したものに「抵抗性」を用いています。「抵抗性」は基本的には発病しませんが、発病を助長する厳しい条件や病原菌のレース分化・変異により発病する場合もあります。「抵抗性」に比べ発病条件の影響を受け易いが、感染しても発病の程度が軽かったり、栽培する上で問題になりにくいものには「耐病性」を用いています。 -
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価格はすべて希望小売価格(税込)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。