•  根こぶ病※1耐病性※2、耐暑性、早生性を兼ね備え、高温期でも高品質な青果生産に貢献 

ブロッコリー『アーリーキャノン』

サカタのタネは、根こぶ病耐病性を持ち、耐暑性に優れる早生品種のブロッコリー『アーリーキャノン』の種子を2023年6月から営利生産者向けに発売します。

『アーリーキャノン』の特長は、根こぶ病耐病性と耐暑性、早生性を兼ね備えていることです。根こぶ病は根にこぶを生じる土壌病害です。発生すると根から水分や栄養分の吸収が妨げられることで、生育が悪くなり、収量の低下のみならず出荷自体ができなくなる場合があります。そのため、特に温度が高い時期のブロッコリー生産においては同病害への対応が重要な課題となっています。『アーリーキャノン』は根こぶ病耐病性、早生性に加え、耐暑性を持つため、高温期でも高品質な青果を収穫することができます。

花蕾は粒ぞろいがよく、こんもりとしたドーム形にまとまります。また、試作産地からは、高温期でも花蕾の品質が安定し秀品率が高いことに加え、収穫・調整作業性のよさも高く評価されています。

ブロッコリー『アーリーキャノン』の種子の希望小売価格※3は1袋2,000粒入り7,865円(税込)、ペレット種子5,000粒入り21,285円(税込)です。全国のJA、種苗店を通じて2023年6月から発売します。

国産ブロッコリーの需要増加と根こぶ病への対応の重要性

ブロッコリーは栄養価の高さなどから消費が増加傾向にある品目で、近年の健康ブームも併せて今後も需要の拡大が見込める野菜です。また、冷凍ブロッコリーにも国産の青果が使用されるなど、国産ブロッコリーの需要は年々高まり、周年での安定供給が求められています。一方で、地球温暖化によりブロッコリーの栽培ではさまざまな病害が発生しています。中でも高温期に問題になりやすい根こぶ病は多くの産地で発生し、収量の低下などの深刻な被害をもたらしています。そのため、高温期に収穫する作型でのブロッコリーの生産は難易度が高い状況となっています。『アーリーキャノン』は耐暑性と根こぶ病耐病性、早生性を兼ね備え、栽培が難しい時期に高品質な青果を生産できることからブロッコリーの周年栽培に貢献できる品種です。

写真左:『アーリーキャノン』  写真右:従来品種、根こぶ病が発生している

写真左:『アーリーキャノン』
写真右:従来品種、根こぶ病が発生している
撮影:2021年11月17日 
場所:暖地
(当社調べ)

サカタのタネのブロッコリーと『アーリーキャノン』

当社はブロッコリー種子のリーディングカンパニーです。当社では今まで根こぶ病耐病性品種として播種後約115日で収穫できる中生品種「グリーンキャノン」を販売してきました。今回、約90日で収穫できる早生品種『アーリーキャノン』がラインアップに加わることで、より幅広い作型で根こぶ病耐病性品種を利用することが可能となりました。『アーリーキャノン』は待望の新品種であり、積極的に拡販していくことで、今後、国内においてより一層のシェア拡大を目指します。

ブロッコリー『アーリーキャノン』の作型図

ブロッコリー『アーリーキャノン』の作型図
  1. 根こぶ病菌(Plasmodiophora brassicae)によって引き起こされる土壌伝染病。ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、カブ、ナタネ、ツケナ類などアブラナ科植物で発生がみられる難防除病害のひとつで、高温や酸性土壌で発生しやすい。 

  2. 抵抗性と耐病性:当社は病害を抑える性質をその程度により「抵抗性」と「耐病性」という言葉で表しています。発病条件(温度、湿度、病原体の密度など)の影響を受けにくく安定したものに「抵抗性」を用いています。「抵抗性」は基本的には発病しませんが、発病を助長する厳しい条件や病原菌のレース分化・変異により発病する場合もあります。「抵抗性」に比べ発病条件の影響を受けやすいが、感染しても発病の程度が軽かったり、栽培する上で問題になりにくいものには「耐病性」を用いています。

  3. 価格はすべて希望小売価格(税込)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。