• 国内当社品種で初、べと病R(レース)1~19抵抗性品種

  • 寒さの中でも生育よく、収量性に優れ、市場価格の上がりやすい年末年始にも安定生産が可能

  • 絡まりにくい草姿、折れにくい葉軸で収穫作業性にも優れる

サカタのタネは、厳寒期の生育、葉枚数、収穫作業性に優れ、かつべと病レース1~19に抵抗性(※1)を持つ秋冬ホウレンソウの新品種、『スーパーセーブ』の種子を営利生産者向けに発売します。

べと病は葉に黄色い斑点ができ、葉の裏に灰色のカビが生える植物病害です。感染したホウレンソウは出荷ができなくなる上に、病害の広がりが早いため、生産現場で甚大な被害をもたらすケースもあります。多くのレース(病原性が異なる菌系統)があることで知られ、『スーパーセーブ』は国内当社品種では初めて、現在確認されているレース1~19全てに対して抵抗性を持ちます(2023年4月現在)。

ホウレンソウは厳寒期に生育が緩やかになり、収量が上がりにくいことが課題となりますが、同品種は低温伸長性に優れるため、寒さの中でも安定して生育します。葉枚数が多く重量があり収量性に優れるほか、草姿が立性で収穫時に絡まりにくく、葉軸がしなやかで袋詰めの際に折れにくいため、収穫作業性にも優れます。

秋冬はべと病や、寒さによる生育停滞でホウレンソウ生産が不安定になりやすい時期ですが、『スーパーセーブ』によって生産者の収益はもちろん、青果の安定供給の一助となり、市場、流通、消費者への貢献にもつながることを期待しています。

『スーパーセーブ』の種子の希望小売価格(※2)はプライマックス種子(Mサイズ)1袋約3万粒入り5,720円(税込)です。全国のJA、種苗店を通じて2023年7月下旬から順次発売します。

ホウレンソウのべと病被害と抵抗性品種の活用の重要性

べと病発生の3要素 「病原菌」「作物」「環境」の3要素が重なったときに発生。抵抗性品種を使用するだけでなく、総合的に対策することが重要。

べと病発生の3要素
「病原菌」「作物」「環境」の3要素が重なったときに発生。抵抗性品種を使用するだけでなく、総合的に対策することが重要。

ホウレンソウ生産における重要病害の一つがべと病です。発病した青果は市場価値がないため出荷できなくなります。過去には大きな産地で被害が拡大し、市場価格に影響を与えるほど大きな被害となった例もあります。対策としては予防的な薬剤散布など病原菌への直接的な対策、株間調整など環境を整えることと同時に、抵抗性品種を選ぶことも重要です。

ホウレンソウのべと病にはレース1~19の存在が確認されており(2023年4月現在)、『スーパーセーブ』はその全てに抵抗性を持ちます。レースは次から次へと新しいものが発生するため、抵抗性品種のみで完全に防除することは難しいですが、最新の抵抗性品種を栽培することで、生産者はより安心して生産することができます。

厳寒期でも収量性に優れるホウレンソウ『スーパーセーブ』

上:スーパーセーブ  下:他社品種

上:スーパーセーブ
下:他社品種

左:スーパーセーブ 3株で123g  右:他社品種 3株で82g

左:スーパーセーブ 3株で123g
右:他社品種    3株で82g

ハウス 播種 2022/11/5 調査 2023/1/27
(茨城県、当社調べ)
他社品種と比べて葉の枚数が多く、1株当たりの重量も重い。
ホウレンソウは多くの産地で1袋何gと決まった規格があり、一般的に1株当たりの重量が重いと面積当たりの袋数が増え、生産者の収益増につながる。

ホウレンソウ『スーパーセーブ』の作型図

ホウレンソウ『スーパーセーブ』の作型図
  1. 抵抗性と耐病性:当社は病害を抑える性質をその程度により「抵抗性」と「耐病性」という言葉で表しています。発病条件(温度、湿度、病原体の密度など)の影響を受けにくく安定したものに「抵抗性」を用いています。「抵抗性」は基本的には発病しませんが、発病を助長する厳しい条件や病原菌のレース分化・変異により発病する場合もあります。「抵抗性」に比べ発病条件の影響を受けやすいが、感染しても発病の程度が軽かったり、栽培する上で問題になりにくいものには「耐病性」を用いています。

  2. 価格はすべて希望小売価格(税込)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。