サカタのタネは促成・夏秋栽培で秀品率が高く、食味のよい大玉トマトの新品種『れおん』の営利生産者向け種子を2023年10月から発売します。
『れおん』は、促成栽培の栽培期間にあたる厳寒期や日射量の少ない時期に発生する空洞果(※1)や、栽培後半の高温期に発生しやすい黄変果(※2)が少ないことが大きな特長です。栽培期間を通して秀品率の高い青果を出荷できる点が評価されており、収益性にも期待ができます。
夏秋栽培では、高温期に裂果や軟化が発生しやすく、秀品率の低下が課題となっています。『れおん』は、温度が下がり始める秋口においても裂果の発生が少なく、栽培後半まで玉の肥大力に優れた品種です。
また、近年、地球温暖化に伴う猛暑に加え輸送時間の長期化の影響により、特に夏秋トマトにおいては果実の軟化など輸送中の品質低下も大きな課題となっています。これらは出荷ロスにつながるほか、店頭での日持ちが悪くなることから、果実が硬くしっかりした肉質の輸送性の高い品種が求められています。『れおん』の品質の高さと優れた輸送性は、夏秋トマトの一大産地である北海道からも評価をいただいています。
作型は促成栽培と夏秋栽培に最も適しますが、抑制栽培でも使用できます。すっきりとした味わいで食味のよい『れおん』は冬春トマトでも夏秋トマトでも高品質な青果を出荷できます。なお『れおん』は当社オリジナルの赤熟もぎり(※3)統一青果ブランド「王様トマト」(次頁にて詳述)としても出荷できます。
大玉トマト『れおん』の種子の希望小売価格(※4)は、1,000粒入り袋25,850円(税込)で、全国の種苗店、JAルートを通じて販売します。
「王様トマト」の概要
「王様トマト」は、2003年に発表した当社のオリジナル赤熟もぎり統一青果ブランドで、2023年でブランド制定20周年を迎えます。
発表当時、大玉トマトは、収穫してからスーパーなどの店頭に並ぶまでに果実の軟化や腐敗など品質が低下する問題があり、輸送性と日持ちを向上させるため、まだ果実が青い段階で収穫する青もぎが一般的でした。畑で赤く熟したおいしいトマトを食べてほしい、当社はそのような思いで赤熟出荷に向く「王様トマト」の品種開発に取り組みました。
「王様トマト」は、樹で十分に熟してから収穫する赤熟もぎりができる特性があり、甘みと酸味のバランスがとれたコクのある味わいが特長です。果実の肉質もしっかりしていることから、赤熟もぎりでも輸送性と日持ちに優れます。生産者、流通小売業者、消費者にメリットのある青果ブランドです。
「王様トマト」ブランドサイトはこちら
https://www.sakataseed.co.jp/special/ousama/index.html
大玉トマト『れおん』の作型図
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空洞果:果肉部がゼリー状物質で充満せずに果皮部と胎座部の間に空洞が生じた果実。
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黄変果:果実の肩の部分が黄色もしくは黄緑色に変色する着色不良果のこと。
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赤熟もぎり:トマトの5段階熟度表の4段階(10段階熟度表では8)以降の赤さを基準に、トマトを樹で赤く熟させてから収穫する方法。
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価格はすべて希望小売価格(税込)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。