• 夏の高温でも穂が開きにくく、高品質な青果を出荷可能

  • 高温期でもスタミナが持続し、長期間収穫できる

  • 気温が低い早春から萌芽が始まり、太さなど形状にも優れる

アスパラガス『ハイパーウェルカム』

サカタのタネは、高温期の穂の締まりと収穫持続性に優れ、低温期でも早く芽が出て太く形のよい青果を収穫できる雌雄混合系F1アスパラガス『ハイパーウェルカム』の種子を営利生産者向けに発売します。

アスパラガスにおいて先端部分の穂の締まり具合は出荷価格に直結する大切な要素ですが、夏の生産では高温のため穂が開いてしまうことがあります。『ハイパーウェルカム』は高温期でも穂が開きにくく、高品質な青果出荷が期待できます。また、夏は高温のためスタミナが持続せず、芽が少なくなったり、芽が出てこなくなったりすることもあります。同品種は暑さの中でも生育が止まりにくく、安定して収穫することができます。

夏の生産におけるメリットに加え、低温期でも早くから萌芽が始まり、かつ茎の太さ、そろいなど形状も安定した青果が収穫できることも特長です。一般的にアスパラガスは2~3月から収穫を開始しますが、従来品種の場合、寒さのため芽が出ない、芽の出始めは細く形が悪い、などの課題がありました。『ハイパーウェルカム』は萌芽の開始が早いうえに収穫開始期から市場で評価が上がりやすい太さ(Lサイズ)で収穫でき、市場価格が高い低温期に品質のよい青果を出荷することができます。

『ハイパーウェルカム』の種子の希望小売価格は1,000粒入り袋23,100円(税込)、100粒入り袋2,640円(税込)、3年後の売り上げ目標は2,000万円です。全国のJA、種苗店を通じて2023年11月下旬から発売します。

夏でも穂の締まりがよく、高品質な青果を収穫し続けられる『ハイパーウェルカム』

アスパラガスの出荷規格において、茎の太さ、曲がり、穂の締まり具合は価格に直結する重要な要素です。夏の生産では特に穂の締まり具合が問題となります。『ハイパーウェルカム』は高温下でも穂が開きにくく、高品質な青果を出荷できます。生育のスタミナもあるため、従来品種の課題だった、夏の高温で萌芽が少なくなる、止まる、細い青果しか育たない、ということも少なく、青果を安定して長期間収穫できるメリットもあります。

左:従来品種 右:『ハイパーウェルカム』
2023年8月7日収穫・撮影

低温期も高温期も収量性の高いアスパラガス『ハイパーウェルカム』

アスパラガスには「露地春どり栽培」、露地およびハウス内の「長期どり(立茎)栽培」、冷涼地および高冷地で行う「伏せ込み栽培」などの作型があり、生産者は気候や経営に合わせて栽培方法を選択します。その中でも「長期どり(立茎)栽培」は2~3月の低温期からアスパラガスを収穫し、5~6月は養分蓄積のために収穫せずに育てた後、7~9月に夏収穫を行う作型で、冬から夏にかけて収穫期間が長期間にわたります。『ハイパーウェルカム』は低温期の早期収穫が可能で、かつ高温期の収量にも優れるため、特に長期どり栽培において大きな力を発揮します。

2~7月末の総収量および可販収量

品種名

 総収量
(㎏・10a-1

 

可販収量
(㎏・10a-1

総本数

平均本重(g)

ハイパーウェルカム

1237.2

1026.6

562

15.5

従来品種A

1091.8

881.6

521

14.7

従来品種B

781.0

628.2

314

17.5

2022年2~7月末までの収量。いずれも株数は13本
当社掛川総合研究センター調べ

  • 価格はすべて希望小売価格(税込)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。