• 草姿が立性で株ぞろい、秀品性の高い品種

  • 低温期の肥大・伸長性に優れ、年明け以降の収量性が特に高い

  • 夏越ししやすい。また、台風などの強風時の倒伏が少なく曲がりも少ない

冬どり用一本ネギ『冬扇シオン』

サカタのタネは、低温期の肥大・伸長性に優れ、秀品率の高い冬どり用一本ネギ『冬扇シオン』(ふゆおうぎしおん)の種子を営利生産者向けに発売します。

一本ネギは生育期間が長く、冬どり用ネギの生育前半は梅雨から夏に当たります。この期間は大雨で圃場に水がたまることによる湿害発生や高温乾燥が原因で、欠株が発生しやすい時期です。最終的な収穫量に直結するため、欠株のしにくさは生産者にとって重要なポイントであり、湿害、高温乾燥による欠株が少ない『冬扇シオン』は冬どり一本ネギの安定生産に貢献します。

夏から秋は台風による倒伏も問題となります。ネギは倒れてしまうと品種や程度によっては人の手で起こす必要があり労力が必要となるほか、倒れたネギを起こしてその後生育したとしても、倒伏が原因でネギに曲がりが発生し、市場評価が下がることがあります。『冬扇シオン』は、夏はコンパクトに生育するため風の影響を受けにくく、耐倒伏性に優れるため曲がりも少ないです。強風による葉折れも少なく、機械管理作業もしやすい品種です。

また、冬どり用一本ネギの中では収穫適期が長いことも特長です。ネギは暖かくなると花芽(ネギ坊主)が上がり、商品価値が著しく低下しますが、『冬扇シオン』は冬どり用品種としては抽苔が遅く、3月まで収穫できます。

ネギ『冬扇シオン』の種子の希望小売価格(※1)は1dl入り袋10,890円(税込)、ペレット種子6,000粒入り袋7,645円(税込)で、3年後の販売目標は1億円です。全国のJA、種苗店を通じて2023年11月下旬から発売します。

欠株が少なく夏越しがしやすい一本ネギ『冬扇シオン』

冬どり用一本ネギの生育前半は梅雨から夏に当たります。雨が降って圃場に水がたまった場合は軟腐病など病害が発生したり、逆に高温乾燥の場合は根傷みにより株が枯れたりします。このような場合、圃場から生育できる株が減っていくことになり、このことを欠株といいます。

欠株率は最終的な収穫量に直結するため、安定して夏越しすることはネギ生産者にとって非常に重要なポイントです。『冬扇シオン』は湿害、高温乾燥に強く、試作した産地でも欠株の少なさが高く評価されました。

左:『冬扇シオン』 右:他社従来品種
『冬扇シオン』は欠株が少なく、そろいがよい
2020年1月撮影(千葉県)※当社調べ

一本ネギ生産における耐倒伏性、倒伏からの回復の早さの重要性

冬どり用一本ネギの生育期間である夏から秋は台風シーズンに当たり、ネギが強風で倒れやすい時期です。自然に起き上がり回復する場合もありますが、品種や程度によっては倒れたまま起き上がらず、人の手で起こす手直し作業が必要な場合もあります。耐倒伏性に優れることはこの手直し作業の軽減につながります。また、起き上がらせてその後順調に生育した場合も、曲がって生育し青果として評価が下がってしまう場合もあります。この曲がりの対策には倒れにくさが重要であることはもちろん、倒伏からの自然回復の早さがその後の曲がり具合に影響を及ぼします(※2)。

『冬扇シオン』は生育前半である夏から秋はコンパクトに生育し、葉も比較的細葉であるため強風でも倒れにくく、倒伏した場合も自然回復が早い品種です。人為的に株を倒した試験でも倒伏からの回復の早さと収穫物の曲がりが少なくなりました(※2)。

台風通過後の『冬扇シオン』
強風による倒伏や葉折れの被害が少なく、
機械管理作業もしやすい
2019年10月撮影(埼玉県)

  1. 価格はすべて希望小売価格(税込)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。

  2. 外部との共同試験による(2021年)。当時の『冬扇シオン』の名称は「K7-118」