株式会社サカタのタネ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:坂田宏、以下、サカタのタネ)は、ブラジル子会社Sakata Seed Sudamerica LTDA.(本社:ブラジル、サンパウロ州ブラガンサ・パウリスタ、以下、SDA社)を通じて、Isla Sementes LTDA.(本社:ブラジル、リオグランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ、以下、Isla社)、およびIsla社の持株会社であるAdministração E Participações Spalding LTDA.(以下、Spalding社)の全株式を取得する契約を2023年10月19日(ブラジル時間)に締結いたしました。2023年12月までに株式を取得し、買収を完了する予定です。取得金額は6,350万ブラジルレアル(約18.8億円)です。

サカタのタネはSDA社を通じてブラジル国内で中~大規模農家向けに花・野菜種子の販売を行っています。また、Isla社はブラジル国内の家庭園芸および小規模農家向けに花・野菜種子の生産・販売を行っています。両社はそれぞれの市場においてブラジル国内で高いシェアを獲得しています。

サカタのタネはブラジル国内の家庭園芸および小規模農家向け市場を約30億円前後と推測しており、2億人を超える人口と、今後の経済成長により、同市場が今後も成長すると見込んでいます。この買収により、販売網や販売エリア、顧客層、プロダクトポートフォリオで重複が少ない両社が、それぞれの販売網を活用することで、新たな顧客と需要を喚起することを狙います。

サカタのタネは中~大規模農家の計画的な生産に適するF1品種を豊富に持っていることが強みです。Isla社は家庭園芸や小規模農家にとって魅力のある多彩な品種群を中心に品ぞろえをしています。また、Isla社はこれから需要拡大が期待されるマイクログリーン(栽培期間が2~4週間程度で収穫する若芽野菜)やオーガニック種子(農薬・化学肥料・遺伝子組換・採種後の種子消毒を使わないで生産する種子)の分野でも高い商品力を持っています。今後、サカタのタネの販売網を活用し、Isla社の商品を世界各国で販売することも視野に入れています。

サカタのタネはIsla社がグループに加わることで、販売網の相互利用による相乗効果が生まれ、両社の売上がさらに増加することを期待しています。この相乗効果による売上増加額を、5年後には両社合計で約1,500万ブラジルレアル(約4.5億円)になると見込んでいます。また、お互いのサプライチェーンの強みを生かすことで、種子生産施設や倉庫、研究施設の有効利用や、種子生産コストの削減などの効果が生まれることも見込んでいます。なお、当社による買収後もIsla社のブランドを存続いたします。

サカタのタネにとって、ブラジルはグローバルな事業戦略において重要拠点の一つと位置付けており、同国での事業を強化するとともに、南米地域での事業をさらに発展させる方針です。

■取得する企業の概要
名称:Isla Sementes LTDA.
所在地:ブラジル リオグランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ
事業内容:花・野菜種子の生産・販売
資本金:400万ブラジルレアル
設立年月日:1955年6月1日
売上高:5,619万ブラジルレアル(2022年12月期)
従業員数:約150名

名称:Administração E Participações Spalding LTDA.
所在地:ブラジル リオグランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ
事業内容:純粋持株会社
資本金:120万ブラジルレアル
設立年月日:1990年8月8日

Sakata Seed Sudamerica LTDA.(サカタ・シード・スダメリカ)
サカタのタネ100%子会社。アグロフローラ植林・農牧会社(1968年設立)を買収し、1994年に設立。花・野菜種子の生産・販売と野菜の品種開発を行う。従業員数約330名。