サカタのタネは、雨に強い大輪ペチュニア「よく咲くペチュニア パフィン」シリーズを開発し、2024年2月下旬から6品種の種子を発売します。
「よく咲くペチュニア パフィン」シリーズは花径約8cmの大輪ペチュニアです。従来ペチュニアは灰色かび病など雨による花の傷みに弱く、大輪系品種では特に顕著でした。同シリーズは同病害への強さと、花弁がダメージを受けた後の回復の早さ(次の花が咲く早さ)に優れ、大輪系品種でありながら雨への強さを両立した画期的な品種です。雨への強さは、花壇やプランターでの栽培時のメリットはもちろん、生産者や小売店での水やり時、花弁が濡れてしまっても傷みが少なく、労力軽減や店頭での花もちのよさにつながり、ロス削減にも貢献します。一般的に大輪のペチュニアは徒長しやすく、株が乱れやすい傾向にありますが、同シリーズは株のまとまりにも優れます。シリーズ各色は草姿や生育速度、開花時期など特徴もそろっているため、苗生産時の扱いやすさも特長です。
なお、シリーズ名の「よく咲くペチュニア」は、雨や夏の暑さに強く開花性に優れる当社ペチュニアのブランドです。当社ではすでに中輪の「よく咲くペチュニア バカラiQ」シリーズを販売しています。
「よく咲くペチュニア パフィン」シリーズは「よく咲くペチュニア パフィン レッド」「同 ローズ」「同 ピンクモーン」「同 ピンク」「同 パープル」「同 ミッドブルー」の6品種で、価格(※)は各品種ペレット種子1,000粒入りで5,720円(税込)です。
雨に強い大輪ペチュニアの可能性
春の園芸商材において、ペチュニアは代表的な品目です。日本では花径約7cmの中輪タイプが主流で、多くの品種が流通しています。一方、大輪タイプは中輪タイプと比較すると流通が少ないです。その背景には、一般的に雨に弱いペチュニアの中でも、大輪品種は特に弱い点が考えられます。雨に弱いことは、生産者にとっては雨や水やりによる花傷みリスクにつながります。花苗はきれいな花がついているか否かが市場評価に直結するため、大輪品種を敬遠する生産者も多くいました。
「よく咲くペチュニア パフィン」シリーズは耐雨性があることで、このリスクを大幅に軽減しました。試作した生産者からも、雨や水やりによる花傷みの少なさや、水やり時の労力削減が高く評価されました。
現状ではペチュニアの主流ではないものの、大輪のペチュニアは華やかで、一般のガーデニングユーザー、植栽業者からは潜在需要があると考えます。弱点だった雨に強い品種が流通することで、春の園芸に大輪ペチュニアという選択肢が広がることを期待しています。
降雨翌日の比較。「よく咲くペチュニア パフィン ローズ」は新しい花が咲いているが、他社従来品種は花数が少ない。
2021年6月撮影(静岡県)※当社調べ