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株式会社サカタのタネ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:坂田宏)と、青山フラワーマーケットを運営する株式会社パーク・コーポレーション(本社:東京都港区、代表取締役:井上英明、以下パーク・コーポレーション)との共同プロジェクト第二弾のトルコギキョウ「深紫」(こきむらさき)の切り花を、パーク・コーポレーションが全国の青山フラワーマーケットで2025年2月15日から順次発売します。
「深紫」は当社が育種したトルコギキョウの新品種で、パーク・コーポレーションとともに試作段階から販売商品の選定を行い、パーク・コーポレーションが名称を考案しました。「深紫」は花びらが厚く、シルバーがかった深い紫が非常に珍しい花色です。また、枚数が多く強いフリンジの花びら、そして日持ちがよいのが特長です。販売期間は2025年2月15日から5月下旬頃までの予定で、青山フラワーマーケット限定での販売です。2月15日と16日に青山フラワーマーケットの南青山本店を含む一部店舗において新品種の発売を記念して「深紫」を使用したブーケなどオリジナル商品が販売されます。
当社とパーク・コーポレーションは、消費者のニーズを反映した商品開発を目指し、共同プロジェクトを行っています。「深紫」は2023年3月に発売したトルコギキョウ「シトロンヴェール」に続く本プロジェクトの第二弾商品です。青山フラワーマーケットが生産者に同品種の切り花生産を委託し、買い上げ契約を結ぶことで安定的な供給と、相場の下落による生産者の収入リスク解消を目指しています。さらに、高鮮度商品の展開が期待される物流面でのサポートのほか、適地適作で高品質切花の安定供給を目的とした委託生産者選定などにおいて市場とも協力し、種苗メーカー、生産者、市場、小売店といった業界の川上から川下までの4者が協力する体制となります。このプロジェクトを通じて、さまざまな視点から需要を発見し、切り花の商品ブランディングを強化し、消費者に新たな価値を提供することを目指しています。また、安定した需要供給体制を確立することで、生産者のリスクを軽減し、業界全体の発展に寄与します。これにより、持続可能な農業の推進や地域経済の活性化にも貢献します。
深紫の詳細な特長
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「深紫」は花弁が厚く、シルバーがかった深い紫が非常に珍しい花色です。また、枚数が多く強いフリンジの花弁が特長です。切り花業界では、アンティーク系の茶色や紫色が注目されており、ラナンキュラスや染色されたスイートピーなどもありますが、「深紫」はその中でもユニークな花色です。また、第一弾の「シトロンヴェール」と比較して、茎の硬さや、花弁の強さ、日持ちのよさなどがさらに改良されています。そして、受粉しにくい性質(変形雌ずい)を持つため花持ちが非常に優れているので、消費者は長く花が楽しめます。
第二弾のプロジェクト詳細
2023年3月にトルコギキョウ「シトロンヴェール」を発売した共同プロジェクト第一弾では、当社が品種選定し、パーク・コーポレーションがネーミング募集キャンペーンを行いました。第二弾では、パーク・コーポレーションが販売商品の選定段階から深く関わり、小売店独自の視点で品種特性を評価し商品開発を行っています。日本が誇る育種技術が生んだ独自性の高い色のため、ネーミングには日本らしい表現を用い、日本の伝統色からパーク・コーポレーションが名づけました。奥行のある紫色と、高貴で特別な色の表現である「深紫」。その言葉が花のイメージにぴったりだったため、このネーミングが採用されました。
また、第一弾では青山フラワーマーケットの限定店舗展開でしたが、第二弾では市場や生産者の協力を得て、全店舗での販売を目指します。これにより、さらに多くのお客様に商品をお届けできるようになります。また第二弾では各店舗でのPRが行われる予定です。2月15日と16日には青山フラワーマーケットの南青山本店を含む一部店舗(※1)において、新品種の発売を記念して「深紫」を使用したブーケなどオリジナル商品が販売されます。「深紫」の印象的な花色を引き立てる組み合わせのブーケやアレンジメントが用意されます。全店舗での商品展開に加え、各店舗で商品の提案を行うことで、「深紫」の商品の魅力を最大限にお客様に伝えます。
今回の商品開発にあたり、花き業界での課題解決を目指し、種苗メーカー(株式会社サカタのタネ)、生産者(※2)、市場(※3)、小売店(青山フラワーマーケット)が連携し、下記の取り組みを行っています。
1. 消費者のニーズを反映させた商品開発を目指す
生産を主導する種苗メーカー・花き生産者は、一般消費者の商品に対する反応を直接把握することが難しいため、商品開発や生産にマーケットのニーズを反映させにくいのが現状です。そこで、当社と青山フラワーマーケットが連携することで、お客様が望む品種を開発・流通させる仕組みを構築するとともに、ニーズに応じた品種の育成・ブランディングを目指します。
2. 生産者の経営と流通の安定化
花き流通は相場の影響を非常に受けやすく、時に生産者に利益が残らないケースが発生するなど、生産者の経営リスクも業界の課題となっています。この取り組みでは、青山フラワーマーケットが市場を通じて生産者に委託することにより、生産者の出荷全量を市場および青山フラワーマーケットが購入し、生産者の経営と流通の安定化に繋げています。
3. 柔軟な規格によるロスの削減
流通の大部分を占める市場取引においては、本数をはじめ長さや輪数など厳格な規格が設けられています。前述2の通り、本プロジェクトは、市場と青山フラワーマーケットにて流通経路が確約されていることから、端数はもとよりその他の規格も柔軟に設定し、出荷時のロス低減にも繋がる仕組みです。
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このような業界の課題解決を目指すとともに、育種におけるストーリーや開発技術、卓越した生産技術で高品質な花を安定的に生産する生産者、そこから生み出された花の特別な魅力やこだわりを店頭で積極的に打ち出すことで、花そのもののブランディングを図りながら、より多くのお客様にその価値をお届けすることを目指しています。
※1 販売店舗:青山フラワーマーケット 南青山本店、渋谷スクランブルスクエア店、ルミネ大宮店、新宿東口店。その後の取扱店舗につきましては採花量によるため、お近くの青山フラワーマーケット店舗にお問い合わせください。
※2 花道楽 中島章、花族 渡辺貴志、昭太の花 平野昭太、THANKS 武藤寛和
※3 株式会社世田谷花き、株式会社東日本板橋花き、株式会社姫路生花卸売市場、福岡県花卉農業協同組合福岡花市場