
サカタのタネは、早生エダマメ「たっぷり」(※1)(=写真=)の営利生産者向け種子を2025年12月下旬から発売します。本品種は、名前のとおり、5月中旬から11月上中旬の長い期間に、安定して高い収量を得られることが特徴です。株の上部まで莢がつき、かつ3粒莢の割合が高く、収穫作業性もよいなど、優れた特性を兼ねそろえています。
「たっぷり」は、タネまきから収穫までが80日から81日の早生タイプで、高い収量性があります。草丈は55cm程度で、莢の毛は白く、マメは緑色で甘味があり、食味にも優れています。また、主要な病害であるうどんこ病への耐病性(※2)があり、シイナ(※3)が発生しにくく、B品率も低いです。エダマメは短日植物で日長が短くなると花芽分化を始めますが、本品種は温度条件を満たせば早い時期から花芽を形成します。本品種は、早生のため、春のトンネル栽培に向くほか、秋の栽培では低温期になる前に収穫が可能であり、秋出荷にも対応が可能です。また耐暑性にも優れており、近年の夏の猛暑への対応力もあります。このようにトンネル栽培から露地栽培まで適応作型が広く、季節を選ばず、使いやすい品種といえます。
さらに、作業面では、草姿が立性で倒状に強く、地面から一番下の莢までが高いため、収穫時に刈り取りしやすいという特徴があります。刈り残しおよび土の巻き込みによるごみの発生などが抑制されます。また収穫後、機械で莢をもぐ作業の際に、枝がしなやかで折れにくいため、折れた枝の混入が軽減されます。近年、エダマメの生産において、労働力不足などを背景に、収穫と莢をもぐ作業は機械化が進んでおり、省力化を求める現場のニーズにも対応できます。
当社は、収量性、栽培適応性に優れ、収穫時における作業効率の向上によるコスト削減に貢献できる「たっぷり」を通じて、生産現場の課題解決に貢献していきたいと考えています。
同品種の価格(※4)は、1袋1dl入り627円(税込)、1袋1ℓ入り5,500円(税込)です。全国の種苗店・JAルートを通じて、販売します。
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本品種は登録品種です。登録品種の最新の登録状況はサカタのタネウェブサイト(https://www.sakataseed.co.jp/ip/)でご確認ください。たっぷり 登録品種 品種名:SAKSOY008
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抵抗性と耐病性:当社は病害を抑える性質をその程度により「抵抗性」と「耐病性」という言葉で表しています。発病条件(温度、湿度、病原体の密度など)の影響を受けにくく安定したものに「抵抗性」を用いています。「抵抗性」は基本的には発病しませんが、発病を助長する厳しい条件や病原菌のレース分化・変異により発病する場合もあります。「抵抗性」に比べ発病条件の影響を受けやすいが、感染しても発病の程度が軽かったり、栽培する上で問題になりにくいものには「耐病性」を用いています。
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シイナ:子実が未成熟な莢のこと
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価格はすべて希望小売価格(税込)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。
他社の早生品種との比較写真

「たっぷり」(=写真右=)は一株が大きく、上部までしっかりと莢がつき、深く根を張っている ※当社調べ
(調査日:2018年6月29日 調査場所:神奈川県 ※同一圃場、同時播種にて栽培。)

「たっぷり」(=写真右=)は収量性に優れる ※当社調べ
(調査日:2018年6月29日 調査場所:神奈川県 ※同一圃場、同時播種にて栽培。)

「たっぷり」(=写真右=)は地面から一番下の莢までが高い ※当社調べ
(調査日:2025年7月18日 調査場所:静岡県 ※同一圃場、同時播種にて栽培。)