光で目覚めるタネと、闇で目覚めるタネ
タネは光を感じるのでしょうか?
タネは、一般的には土にまきます。地中なので発芽に光は関係がなさそうだと思うかもしれませんね。しかし、実際に光があったほうがよいタネという性質を持った植物もあるようです。本当でしょうか?
発芽には光があったほうがよいタネを「好光性種子(こうこうせいしゅし)」と言い、逆に、光がないほうがよいタネを「嫌光性種子(けんこうせいしゅし)」と言います。少し読みにくいですが、光が好きか? 嫌いか? と考えて、身近な野菜のタネで簡単な実験をしてみましょう。
【実験に使うタネ】
・バジル
・ミニトマト
【材料】
・シャーレ4個(食品トレーやパックを洗って用いてもよい)
・厚手のキッチンペーパー
・水
・光を遮るための布
【環境と日数】
今回は、20℃前後で7日間実験。
【方法】
(1)4個のシャーレ内に、キッチンペーパーを置き、水を吸わせておく。
(2)2個のシャーレにバジルと、ミニトマトのタネをまく。
(3)2個のシャーレをそれぞれ明るい場所と、布をかけた暗い場所にわける。
実験結果は......。
まずは、バジルの発芽状況をみてみました。
明るい場所に置いたシャーレの方が、多く発芽しています。暗い場所に置いたシャーレの方も、数個は芽が動き出していますが、あきらかに明るい場所の方が発芽に向いているようです。
次は、ミニトマトの発芽状況をみてみましょう。
こちらは、バジルとは逆に、暗い場所に置いたシャーレの方が多く発芽しています。明るい場所に置いたシャーレの方も、数個は芽が動き出していますが、あきらかに暗い場所の方が発芽に向いているようです。
バジルは、光が好きだから好光性種子。ミニトマトは、暗い方が好きだから嫌光性種子だとわかりました。このタネの性質は、土にタネをまくときのヒントにもなります。バジルは、タネをまいたあとに薄く土をかけて乾燥を防ぐだけで発芽しやすく、ミニトマトは、まいたタネに光が届かないように、少し土の中に入れた方が発芽しやすいのです。
他に、どの植物のタネが好光性種子と嫌光性種子に分類できるのか、調べてみると意外な共通点が見つかるかもしれません。ぜひ、実験にチャレンジしてみませんか。