このタネは何のタネでしょう?
ゴマよりずっとずっと小さい丸いタネ。そう、アンパンの上についているケシの実くらいの大きさでしょうか?
正解は......。
クレソンのタネです。
ヨーロッパや中央アジアが原産地と言われています。私が子どものころは、ステーキの付け合わせくらいでしか見かけませんでしたが、国内の栽培も増えて、今ではサラダやバター炒めなどにも使われるようになりました。オランダガラシという和名も持っており、キャベツなどと同じアブラナ科に属しています。
タネは本当に小さいのですが、拡大すると不思議なしわが一面にあります。このようなしわは、一見平滑に見える他のタネでも見ることができます。タネが成熟して乾燥する過程でできた「しわ」なのか、発芽時に水分をとどめておくための戦略的な「しわ」なのか、クレソンに聞いてみたいものです。さて、クレソンはこの小さなタネからは想像できないほど繁殖力が旺盛な植物です。横浜でもちょっとした小川に野生化しているクレソンを見ることができます。サラダなどの食べ残しを水分の多い場所に捨てたりすると定着して繁殖してしまうので気をつけましょう。それでも、ウメの花が咲くころには新芽を出し始め、5月には真っ白な花を咲かせる姿は個人的には好きな光景です。